【はじめに】なぜインデックス投資信託なのか？
投資を始める際、誰もが迷うのが「具体的にどんな投資商品を選べばいいのか」ということです。数ある投資商品から、まずはインデックス投資信託を検討するのが初心者にはオススメとよく言われます。その理由は、リスク分散がしやすく、運用コストが比較的低いためです。
本記事では、インデックス投資信託とは何か、そのメリットとデメリット、さらには具体的な始め方までをできる限りわかりやすく解説します。投資の入り口として、まずは一歩を踏み出してみたい方の参考になれば幸いです。
【目次】
- インデックス投資信託とは
- インデックス投資のメリット
- インデックス投資のデメリット
- 証券口座の選び方
- 具体的なインデックス投資の始め方ステップ
- よくある疑問と不安
- まとめ
1. インデックス投資信託とは
投資信託には主に、インデックス型とアクティブ型の2種類があります。インデックス投資信託は、特定の株価指数（インデックス）に連動する運用を目指す投資信託です。たとえば、日経平均株価やS&P500などを指標にして、その動きに合わせて運用する仕組みになっています。
つまり、日経平均株価が上がれば基準価額も上昇し、下がれば下落するというシンプルな構造です。ファンドマネージャーが個別に銘柄を選ぶ必要がないため、経費率が比較的低くなる傾向があります。
2. インデックス投資のメリット
①運用コストが低い
アクティブファンドは、ファンドマネージャーが独自の判断で銘柄を売買し、市場平均を上回るリターンを目指します。そのため、信託報酬が高くなりがちです。一方、インデックス投資信託は市場平均に連動するだけなので、運用に余計なコストがかからず比較的安い信託報酬で済みます。
②選びやすく分かりやすい
「日経平均」「S&P500」「TOPIX」など、有名な指数を知っていれば、そこに連動した投資信託を選ぶだけで投資が可能です。さらに、複数の分野のインデックスファンドを組み合わせることで、簡単に国際分散投資が実現できます。
③長期投資との相性がよい
インデックス投資は、短期の爆発的なリターンを狙うというよりは、市場の平均リターンを長期間かけて得ることを目的としています。長い目で見れば、世界経済は緩やかな成長を続けてきたという歴史的事実もあり、長期投資での安定した資産形成に向いています。
3. インデックス投資のデメリット
①大きなリターンは期待しづらい
アクティブファンドのように、ファンドマネージャーの腕次第で大きく稼ぐという可能性は低いです。常に「市場平均並みの成績」に連動するので、マーケットが下落した場合はそのまま影響を受けます。
②相場によっては含み損の期間が長くなる
インデックス投資といえども、リスクゼロではありません。例えばリーマンショックなどのような世界的不況の局面では基準価額の下落が続き、長期的に含み損を抱える場合があります。
③リターンの最適化には知識も必要
「インデックス型であれば何でもOK」というわけではなく、指数の性質や組入銘柄の傾向を知ることが大切です。自分に合った指数を選ぶためには、多少の調査が必要になります。
4. 証券口座の選び方
インデックス投資を行うには、まず証券口座の開設が必要です。証券会社によって取扱商品の種類や手数料が異なるため、いくつかのポイントに注目して選びましょう。
- 取扱インデックスファンドの種類: 自分が投資したい指数の商品があるかどうかを確認。
- 信託報酬・購入手数料の安さ: インデックス投資ではコストが命。信託報酬が安いものを選ぶ。
- ネット証券か総合証券か: ネット証券は手数料が安く種類も豊富。総合証券は担当者と相談できる安心感がある。
- ポイントサービス: 楽天証券やSBI証券などは、投資金額に応じてポイントがたまる仕組みがある。
5. 具体的なインデックス投資の始め方ステップ
ステップ1：目標設定をする
将来の資産を増やしたいのか、老後資金を作りたいのかなど、投資の目的をはっきりさせましょう。目標がはっきりすると、投資期間やリスク許容度を考えやすくなります。
ステップ2：証券口座を開設する
ネット証券なら、スマホやPCから簡単に口座開設が可能です。本人確認書類やマイナンバーを用意して申し込みましょう。
ステップ3：NISAやつみたてNISAを検討する
もし長期投資が目的であれば、税制優遇が受けられるNISAやつみたてNISAの活用を検討しましょう。購入できる投資信託が限られている分、比較的優良な商品が揃っているというメリットもあります。
ステップ4：インデックスファンドを選ぶ
自分が注目する指数を決め、それに連動する投資信託を比較しましょう。同じ指数でも複数の商品が存在する場合は、信託報酬の安さや純資産総額の大きさなどをチェックして選びます。
ステップ5：積立設定を行う
買付方法を毎月積立（ドルコスト平均法）に設定すると、相場が高いときは少量購入、安いときは多く購入でき、長期的にリスクを平均化できます。自動引き落としにしておけば、投資を習慣化できます。
6. よくある疑問と不安
Q1：インデックス投資だけで大丈夫？
A：投資初心者には非常に有効な方法ですが、アクティブファンドや個別株、債券や不動産投資信託（REIT）などに資産を分散させるのも選択肢の一つです。まずはインデックス投資で土台を作り、資産規模や知識が増えてから他の分野に挑戦するのもよいでしょう。
Q2：どのインデックスに投資すべき？
A：まずは世界株式に幅広く投資するタイプのファンドが無難です。具体的には全世界株式（オールカントリー）やS&P500などが代表的です。ただし資産配分は個人のリスク許容度によって異なります。
Q3：今すぐ始めないと損？
A：投資は「いつが始め時か」よりも「どれだけの期間継続できるか」が重要です。最良のタイミングを探るよりも、一日でも早く始めるほうが複利効果を享受しやすいので、少額からスタートしてみることをおすすめします。
7. まとめ
インデックス投資信託は、シンプルかつ低コストで始めやすく、長期投資との相性が抜群です。投資初心者の方がまず踏み込むには、最適な選択肢の一つと言えるでしょう。
とはいえ、暴落リスクは常に存在しますし、市場平均並みのリターン以上は期待しにくい面もあります。しかし、コツコツと積み立てを継続することで、時間を味方につけた資産形成が可能になります。
投資を始める際は、証券口座の開設やNISA制度など、情報をきちんと収集しながら計画的に進めることが大切です。
まずは少額からでいいので一歩を踏み出し、自分の資産を育てるための習慣としてインデックス投資を活用してみてください。
コメント